2011年12月16日金曜日

久末という場所のこと

高津区久末地区というところは、ある意味、都市化の波に取り残されたかのように。ひっそり、連綿と高津の南の位置に存在しています。溝の口と同じ高津区と言ったら、あの駅前の喧騒を想像するけど、ぜんぜん違う。電車で何時間も行った先のように錯覚する。実際は、自転車でも行ける距離なんだけど。(注:私が溝の口から自転車を飛ばして30分くらいはかかります)

それで、どんなところかと言うと、基本は一昔前の住宅地。(気を悪くする方がいたらごめんなさい!)その合間にちょっとずつ、畑の後なんだろうな~、というおしゃれな新築分譲住宅群。そして、その他大半が畑と巨大農業ハウス。


蓮花寺というゴジラで有名なお寺の脇の道から入り、丘の上にえっちら、おっちらと登っていくと、富士山が見えてきます。そして、畑・畑・畑。それぞれ持ち主が違うので、シーズン中の午前中などに行くと、たくさんの農家さんが自分の区画で仕事をしている様子が見られます。時々、声をかけ合ったりしながら。

そう、みんな、数代前からの知り合い。一族で苗字が同じ人も多いから、下の名前で呼び合っています。顔も名前も性格も、生業の農業の状況も、よーく分かり合っているんです。

毎年末には、久末地区内の生産者がこぞって参加する、「農産物品評会」が行われます。それも、丘の上の久末小学校の体育館で。PTAが主催するバザー・お祭りが校舎と校庭で同時開催なので、その日は地区のみんながそこに集うのです。小学校の、数十年前のOB・OGが焼きそばを焼いています。いわば、そこで学んだ人がそこに根付いて、2世、3世が後輩になるような。


私など、両親は県外出身、麻生区育ち。そんな土地での連綿としたつながりって、想像を超えた関係です。濃密なつながりが、そこにはあるんだと思います。

ちなみに、見事な出品農産物たちは、破格で買うことができます。聞くと、すべて農家さんの「寄付」なんだそう。この日の栄誉のために、心血注いで作ってきた出品野菜。買う側の熱の入りようも素晴らしく、開場前から行列ができて、開始時間になると飛ぶように作品に「売約済み」が付いていきます。

この土地のために。『採算』など、そこに入り込む余地はないよう。都市化の波から残されたからこそ、守られているものがあるような気もします。


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